料理レッスン担当
ABCクッキングスタジオ講師 澤田先生
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カーボカウントに関するご質問(質問をクリックすると回答が出ます)
ソレイユ千種クリニック:もちろん全粒粉でも美味しく作れます。小麦粉よりも香ばしくてサクサクした食感になります。ただし食物繊維が多いため、糖質量は1本あたり1g減ります。また、食物繊維が増えるとGI値が低くなり、血糖値の上昇が緩やかになります。おやつとして、インスリンを注入して食べるならば、小麦粉で作るより食後の血糖コントロールがしやすいと思われます。しかし低血糖の際の補食として食べるならば、全粒粉では血糖値が上がるのが遅くなりがちですので気を付けてください。
ソレイユ千種クリニック:砂糖の代わりにエリスリトール(甘味料)を使ってもよいです。エリスリトールは血糖値にほとんど影響しないので、カーボカウントは小麦粉に対してのみで済みます。その他にも様々な人工甘味料がありますが、分量は砂糖と同じか1/2程度を目安にしてください。人工甘味料の糖質量は製品によって異なるため、製品パッケージで確認してください。砂糖と人工甘味料を使い分けて、血糖値が速やかに上がるお菓子と、血糖値が上がりにくいお菓子を両方作って、状況によって食べ分けても良いですね。
ソレイユ千種クリニック:「ゼロカロリー」と表示されていても、実際には100gあたり5kcal未満(飲料の場合は100mLあたり5kcal未満)のカロリーを含んでよいことになっています(強調表示基準)。したがって、ゼロカロリーの食品にも糖質やその他のエネルギーが含まれている可能性があります。しかし、ゼロカロリーの飲料500mLに含まれる糖質は最大でも6.25gですから、一度に多量に摂取しない限りカーボカウントに加えないでよいです。わずかな量にこだわるより、シンプルに考えることの方がカーボカウントでは大切です。カロリーのある他の食品と一緒に食べたり飲んだりする場合は、ゼロカロリーの食品についてはカーボカウントは不要ですが、その他の食品に対してはカーボカウントする必要があります。
ソレイユ千種クリニック:食べる量にもよりますが、納豆1パックならば糖質量は2g程度なので、カーボカウントしなくてよいです。ただし、一緒に食べるご飯はもちろんカーボカウントしてください。
ソレイユ千種クリニック:血糖値を変動させる要因の代表は、食事、運動、インスリンですが、他にも色々あります。その中でも、影響が大きいのに自分では調節できないのが、ホルモン分泌です。インスリン以外のホルモンのほとんどは、血糖値を上げます。特に自律神経系のホルモンは、体調不良や精神的ストレスなどの影響を受けやすく、風邪をひいたり、大切な試合の前に緊張したり、仕事のストレスでイライラしたりすると、ホルモンが分泌されて血糖値が上がりやすくなります。予測困難な「謎の高血糖」は、決してコントロールが下手だからだとか、何か失敗したからとか、さぼったからではありません。起こってしまった高血糖に対して、追加でインスリンを注入して丁寧に下げましょう。ただし、追加注入によって重症低血糖を起こす人もいるので、インスリンの調節の仕方については必ず主治医と相談して決めてください。
ソレイユ千種クリニック:様々な食品がありますが、個人的にはラムネ菓子をおすすめしています。ほとんどの商品は成分が表示されており、ブドウ糖か砂糖でできているために速やかに血糖値が上がり、糖質量は1袋15gとか1粒0.5gなど把握しやすく、種類が多くて地域限定のものなどもあり、様々な味が楽しめます。糖尿病でない友達と分け合うこともできます。
補食を楽しむために、ラムネ菓子に限らずいろんな種類を用意して、飽きないようにしたいです。個包装していたり、容器が小さかったり、中身が崩れないように容器が固いなど、持ち歩きしやすいものを選ぶこともポイントです。
ソレイユ千種クリニック:糖質と食物繊維を一緒に摂ると糖質の吸収が遅くなり、食前に注入した超速効型インスリンの血中濃度の変化に近くなって、食後血糖が上がりにくくなります。したがって、食事をする際にはなるべく食物繊維を含む食材も一緒に摂るようにしましょう。1型糖尿病でない人にとっても、糖質だけ食べると膵臓からのインスリン分泌が追いつかずに、いわゆる食後スパイクを起こしてしまうことがあるため、食物繊維と一緒に糖質を摂ることをお勧めします。
食物繊維を多く含む食材には、昆布やサツマイモなどがあります。酢昆布や焼き芋はおやつにもおすすめです。健康によい食品として、食物繊維を配合した食材も様々なものが発売されているので、スーパーなどで探してみてください。
糖尿病ではないお子さんの食事については一般的な食育として、野菜をしっかり食べるとか、偏食を避けるとか、お菓子ばかり食べすぎないなど、バランスのよい常識的な食事を考える程度でよいと思います。
ソレイユ千種クリニック:「ロカボ」は「糖質ゼロ」ではなく「糖質控えめ」であり、正確な定義もないため、糖質量には幅があります。また、タンパク質や脂質が多いと、糖質による血糖上昇のピークが遅れて普段使っている超速効型インスリンの効果のピークとあわなくなったり、本来はカーボカウントで無視できるタンパク質による遅れ血糖上昇が無視できないほど大きくなることもあります。カーボカウントだけで食後血糖を完璧に抑え込めるものではありません。特にロカボ食品などでは、製品ごとの血糖変動の傾向を把握しておくのが良いと思います。
ソレイユ千種クリニック:低血糖時の補食は基本的にブドウ糖、あるいはブドウ糖主体の食品が望ましいですが、急いで血糖値を上げなくてよい場合は、身の回りの食品で済ませても問題ないでしょう。どれほど急ぐのかは、血糖値よりも、血糖値が下がる速さの方が重要です。
CGM(持続血糖モニタリング)などを使用しているならば、グルコース値の下降速度が矢印で示されます。下向きならグルコース値100mg/dLでもブドウ糖補食した方がよいかもしれないですし、横向きなら60mg/dL台でもお菓子などの食品でも大丈夫でしょう。それより低い場合は、矢印が横向きであってもブドウ糖補食で速やかに血糖値を上げるべきです。
CGMなどを使用していない場合は、超速効型インスリンを注入してからの経過時間や、自覚症状も踏まえて、下がる速度を推定します。自覚症状がある時は急に血糖値が下がっている可能性が高いので、血糖値80-100mg/dL程度でもブドウ糖の補食が良いでしょう。自覚症状が無く、最後に超速効型インスリンを注入してから4時間以上経過していて、特にその日の運動量が多かったわけでもないならば、60mg/dLくらいまでは身の回りの食品で済ませられるかもしれないです。それ以下ならば、症状の有無やインスリンを注入するタイミングや生活状況に関係なくブドウ糖補食にしましょう。
ただし、低血糖を繰り返していたり、糖尿病歴が長い場合には、低血糖を自覚しにくくなっている可能性もあります。低血糖への対処法は必ず主治医と相談のうえで決めてください。
ソレイユ千種クリニック:食べたいけれどもインスリンを注入したくない場合に、糖質ゼロの食べ物を選択するのはよい考えです。ゆで卵のようなタンパク質でも多少は血糖値は上がりますが、摂取カロリーの約半分が3時間以上かけてゆっくりと血糖に変っていくため、よほど多量に食べない限り無視して大丈夫です。糖質ゼロと表示された食べ物でも少量の糖質は含まれているものがほとんどですが、現実的に無視してよいでしょう。
糖質ゼロや低糖質と表示された食品においてどの程度血糖値が上がるのかは、製品ごと、メニューごと、そして個人の体質ごとに違いますから、まずはいろいろ試して、観察してみる必要があります。また、血糖値が上がりにくいからといって特定の食べ物ばかり食べるのは、健康上望ましくありません。何事もほどほどが大切ですし、血糖コントロールとは別に「健康的な栄養バランス」も心がけましょう。
ソレイユ千種クリニック:食事前に注入するインスリンは、カーボカウントで見積もる食事の糖質量と、食前の血糖値に応じて決めます。なので、高血糖時にはインスリンを増量して食前に注入するのが普通です。ただし、極めて厳格な血糖コントロールを目指している場合には、「高血糖時にはまず血糖補正ためのインスリンを注入して、下がったのを確認してからカーボカウントで見積もった食事の糖質量に対するインスリンを注入して、食事すること」と指導される場合もあります。インスリンの注入の仕方や調節法を決めるのは、自己判断せず、主治医と必ず確認してください。
血糖値は常に変動しています。食事、運動、インスリン量以外にも様々な要因の影響を受けているので、計算通りにはいってくれないものです。小児期では尚更です。糖尿病は生涯つきあっていくものですし、糖尿病性合併症は長年かけて起きてくるものですので、今すぐに完璧を期待せず、まずは低血糖を避けて、ゆっくりとコントロールを引き締めて行けばよいでしょう。
ソレイユ千種クリニック:超速効型インスリンは、カーボカウントで見積もった糖質量をふまえて食前に注入することで効果的に食後血糖を抑えることができます。しかし、小児では食事量は食べてみないとわからないことがよくあります。大人でも、胃腸の調子の悪い時はどれだけ食べられるかわかりません。高血糖は確かに心配ですが、低血糖は絶対避けなければならなないので、食事量が安定しない時には食後高血糖にある程度目ををつぶって、食後に注入することもあります。高血糖をなるべく短時間で済ませたいというのは当然のお気持ちですが、安全性を優先せねばならない場合もあります。どの程度まで許容するかは個別に検討しないといけないので、主治医の先生とご相談ください。
注射後の追加注入のタイミングに関しては、いろいろな考え方があります。インスリンポンプ療法を行っている場合は、食事の2時間以後をめどにボーラスウィザードの計算結果に従います。ペン型インスリンの場合も「残存インスリン」が理解できるならば食後に注入してもよいですが、一般的にはカーボカウント後に食前のインスリンを注入してから3時間以上空けた方が安全です。その時間における目標血糖値とインスリン効果値(超速効型インスリン1単位で下がる血糖値)から、注入量を決めます。ただしインスリンの注入の仕方や量の決め方は治療に直結することです。具体的な方針は、自己判断せず、必ず主治医と詳細に相談して決めてください。
ソレイユ千種クリニック:カーボカウントは食事ごとに行うものなので、シンプルでなければ負担が大きく、ある程度の割り切りが必要です。
ペン型インスリンで治療している人は、インスリン量が0.5単位か1単位刻みで調節するので、糖質量1gまでこだわって計算しても、四捨五入したら結局インスリン量は変わらないケースが多いでしょう。食事ごとに電卓で計算するのも面倒ですから、「糖質の多いおかず(副菜)は5g」「糖質がほとんどないおかずは0g」としてしまって、ざっくり暗算で計算するのが現実的ですし、食事を楽しめると思います。ただし時には1g単位までこだわって調べてみるのも、思いがけない発見があったりして勉強になります。
インスリンポンプ療法を行っているならば、ボーラスウイザードでインスリン量を計算できますから、全てのメニューに対して1gまでこだわって食事の糖質量の総量を決めてもよいでしょう。しかしポンプの場合でも、上記のようにざっくりと5g刻みの暗算で糖質の総量を見積もれるようになった方が、食事が楽しめると思います。
ソレイユ千種クリニック:「夜寝ている間に血糖値が上がってしまう」という相談は、しばしばいただきます。それにはいくつかの要因が考えられます。
まず食事ですが、夕食は、朝食や昼食と比べてタンパク質や脂質の割合が多くなりがちなため、遅れて血糖値が上昇しやすいことがあります。
一方、食事とは関係なく、ホルモンに関係した血糖値上昇が、夜間にしばしば見られます。それは血糖値を上げる作用の強いホルモン(インスリン拮抗ホルモン)の日内変動によるものです。その一つは、成長ホルモンで、特に子どもの成長期に強く見られ、真夜中に見られます。これは次第に緩和されていきます。もう一つは、コルチゾールやノルアドレナリンというホルモンの影響による血糖上昇で暁現象とよばれる様に明け方に見られます。これは生涯続く人もいます。また、日中の出来事で興奮したり、悪夢を見たりしてアドレナリンなどのホルモンが分泌されることによって血糖値が上がる場合もあります。
ホルモンの日内変動による血糖上昇に対しては、小児では保護者が夜間や明け方に追加注入しているケースが多いですが、何年にもわたって毎晩続けるとなると保護者の負担は相当大きくなると思います。インスリンポンプ療法であれば、就寝中のインスリン注入量をプログラムできるので、夜間の血糖変動をある程度コントロールできる可能性があります。更に、インスリンポンプにCGM(持続血糖モニタリング)を組み合わせたSAP療法ならば、インスリンの注入し過ぎによる低血糖をかなり減らせるため、積極的にインスリン量を増やすことができ、夜中の血糖値が安定する人が多いです。
いずれにしても、血糖変動の要因は個人によりことなりますし、その対応に対する反応も異なります。また、実施、選択可能な手段については御家庭で違うでしょうし、必要な治療もお子様によって異なりますので、必ず主治医とご相談の上、指示に従って対処してください。
料理に関するご質問
澤田先生:めん棒がない場合には、手で抑えていただき生地が12×6cmとなるように調整してください。
澤田先生:季節にもよりますが、どちらのお菓子も手作りなので3日間ほどで食べきってください。
ショートブレッドは、まとめて作る際は、焼く前の状態で冷凍保存するのがおすすめです。しっかりとラップなどで包んでからジップ付きポリ袋にいれて保存しましょう(目安2週間~1ヶ月くらい)
出来上がったものを保存する際は、高温多湿をさけて保存してください。常温での保存も可能です。
澤田先生:お持ちの他の砂糖に変更していただいて構いません。糖質も変わりません(100gで1g未満)。三温糖など粒子が大きいものは混ざりにくいので、上白糖よりもしっかりと合わせてください。
また焼き色が付きやすい場合もありますので加熱時間を調整いただければと思います。
澤田先生:マシュマロの種類は何味でも大丈夫です。ただ、使用するマシュマロによって焼き色が少し変わってきます。白いマシュマロが、よりクッキーに近い焼き色のマシュマロになります。
澤田先生:ピーナッツやピスタチオ、ごまなど他のナッツなどでもおいしく作れます。塩で味付けされたものではなく素焼きのものがおすすめです。
そのままではなく、少し刻んでから練り込みましょう。
【糖質:例(100gあたり) アーモンド9.7g カシューナッツ20.0g くるみ4.2g ごま5.9g】1本あたり1g程度しか使わないので誤差の範囲だと思います。