血糖管理について学ぶ

 

インスリンと血糖管理

公開日:2024.04.26

インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンで、血糖(血液中のブドウ糖)を細胞内に取り込みます。インスリンの働きが悪くなったり分泌される量が少なくなったりして、血糖値が高い状態が続いてしまうのが「糖尿病」です。

<目次>

インスリンとは

食事でとった炭水化物は、体内で分解され、ブドウ糖となります。ブドウ糖は体を動かすための燃料として、血液中に送られ、細胞内でエネルギーとして利用されます。この時、血液中にあるブドウ糖を細胞に取り込むためのカギとなるのがインスリンです。

インスリンの量や働きが正常なとき

  • インスリンの量や働きが正常なとき
  • インスリンの量や働きが十分で正常なときは、 血液中のブドウ糖を必要なだけ細胞に取り入れることができます。

インスリンの量や働きが十分でないとき

  • インスリンの働きが悪いときや量が十分でないとき
  • インスリンの量や働きが十分でないときは、血液中のブドウ糖の処理が十分できないため、血糖値が上がります。


糖尿病になって血糖値が高い状態が続くと、徐々に血管が傷ついてもろくなったり免疫機能が低下したりします。そこで血糖値を下げるため、薬を使ってインスリン分泌を促進したり、効きを良くしたり、インスリンそのものを外から補充したりします。

血糖管理の重要性~“質の高いHbA1c”を目指して

2013年に日本糖尿病学会から、「合併症予防のための目標はHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が7%以下」であるとの宣言が出されました。

  • 血糖管理の重要性~“質の高いHbA1c”を目指して

HbA1cは、過去1~2か月の平均血糖を表す指標のため、HbA1c値が同じでも日や時間帯によって血糖の動きは異なります。合併症を予防するためには、HbA1cの目標を達成するだけでなく、血糖の動きの幅が小さい“質の高いHbA1c ” を目指すことが非常に重要です。

  • 血糖値グラフ

血糖が上がったり下がったりした時にどれくらい上昇・下降しているのか、またいつ上昇・下降しているのかを見極めることは難しいものです。血管を守るためには、血糖の動きの幅を少しでも小さくすることが重要なので、HbA1cだけでなく、1日の血糖の動きを正確につかみ、できるだけ平坦にすることが重要です。

インスリンと血糖管理

糖尿病がない人の生理的なインスリン分泌では、季節や生活のリズム、ストレス、食事など様々な要素に応じて、常にすい臓から最適な量のインスリンが分泌されます。糖尿病治療におけるインスリン療法は、いかに生理的なインスリン分泌に近づけるかが目標となります。

  • 基礎インスリンと追加インスリン
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基礎インスリンとは?

生命活動を維持するため、24時間少量ずつ分泌されているインスリン 。分泌量は24時間一定ではなく、1日の中で時間帯ごとに変わります。年齢や生活パターン等によっても必要な量は大きく変化するため、自分にとって必要な種類のインスリンを最適なタイミングで適切な量、注入することが必要です。

追加インスリンとは?

食事などによって一時的に血糖値が上昇するときに、食事量(糖質量)に合わせて分泌されるインスリン。食事の内容や食べ方に応じて分泌されます。

注意!

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病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。