CGM検査でできること
SMBGよりさらに血糖値を見える化できるCGM検査は、お腹などに専用のセンサを装着して細胞の間質液中グルコース値を連続して測定します。比較的簡単に装着できて、日常生活への影響も小さいと考えられています。また血糖変動を詳しく知ることができるので、よりよい血糖コントロールが可能になります。
CGM検査とは
お腹などに専用のセンサを装着し、24時間連続で血糖の日内変動傾向とその傾向をみる検査です。血糖値そのものではなく、血糖値と近い動きをする間質液中のグルコース濃度を測定します。
『日本先進糖尿病治療研究会によるCSIIおよびCGMに関するステートメント』1 によると、 以下のような血糖変動を来しうる病態すべてがCGMの適応となり得るとされています。
- 1型糖尿病
- 食事療法の2型糖尿病
- 経口糖尿病薬の2型糖尿病
- インスリン治療を行っている2型糖尿病
- 妊娠糖尿病
- 糖尿病合併妊娠
CGM検査には保険診療上の算定要件があります。
詳しくは医師、もしくはかかりつけの医療機関にお問い合わせください。
CGMの装着について
- お腹などに専用のセンサを留置します。
- CGMは小型で防水性です。
- CGM検査中は、入浴など普段と変わらない生活を送ることができます。
- CGM検査後、血糖変動のデータはグラフで表示されます。
- 24時間の血糖変動傾向を把握することができます。
- CGMは血糖変動の傾向を把握するためのものであり、血糖自己測定に代わるものではありません。
CGMによりあなたの血糖変動を把握することができます
CGMによりかくれた低血糖や高血糖などの日内の血糖変動が明らかになります。
より適切で安心な糖尿病治療を行うための指標になります
- 血糖自己測定(SMBG)だけでは最大80%の低血糖や高血糖が見逃される可能性があることが示唆されています 2。
- 糖尿病合併症予防のためにより良いHbA1cを目指す必要がありますが、同時に低血糖リスクを回避することも重要です 3。
次のような方がCGM検査を受けています
- HbA1cがなかなか改善しない方
- 夜間あるいは無自覚性低血糖が心配な方
- 血糖値が安定しない方
- 食後や眠っているときの高血糖が心配な方
- インスリンを使用している方
- 生活が不規則な方
- 暁現象の改善のために血糖変動を把握したい方
暁(あかつき) 現象とは
健康な人では、朝起きて活動する準備のため、体内でいろいろなホルモンが分泌され、朝方に向けて血糖値が上昇しますが、必要以上に上昇することはありません。しかしインスリンを投与している糖尿病患者さんでインスリンの投与量が適切でないと、朝方に向けての過度に血糖が上昇し 高血糖になることがあります。これを「暁現象」と呼びます。このような早朝の高血糖を知るためにはCGMが適していると考えられます。
- 注意!
- 本サイトの内容は、医師の診察に代わるものではありません。
病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。
参考文献:
- 1. 日本先進糖尿病治療研究会「 日本先進糖尿病治療研究会によるCSIIおよび CGMに関するステートメント」: 糖尿病57(6): 403-415, 2014
- 2. Kaufman FR, Gibson LC, Halvorson M, et al. A pilot study of the continuous glucose monitoring system: clinical decisions and glycemic control after its use in pediatric type 1 diabetic subjects. Diabetes Care 2001; 24(12): 2030-2034
- 3. DCCT Research Group. New England Journal of Medicine 1993; 329: 977-986