治療法について学ぶ

 

インスリンポンプ療法とは?

公開日:2024.04.26

糖尿病を持つ人の中には、インスリンを持続的に身体に注入する必要のある人がいます。健康な人のすい臓からは常に少量のインスリンが分泌されており、食事の際には食事に合わせて必要なインスリンが分泌されます。必要なインスリンが不足している糖尿病を持つ人にインスリンを注入し、補助するのがインスリン療法です。

<目次>

インスリン療法の種類

インスリン療法には2種類あります。インスリンを1日1回~複数回注射で皮下に注入する注射療法と、皮下に留置した細くやわらかいチューブ(カニューレ)を通して持続的に注入するインスリンポンプ療法(Continuous Subcutaneous Insulin Infusion:CSII)です。

インスリン注射による血糖管理

  • ペン型注射器を使って、自己注射で注入します。
  • 注射回数は、1日に1回~4回が目安です。食事の直前など、1日数回の注射を行うこともあります。
  • 頻回注射療法では超速効型と持効型の2種類のインスリンを組み合わせ、1日4回を目安に注射します。
    インスリン注射による血糖管理

インスリンポンプによる血糖管理

  • 簡単なボタン操作で、人目を気にせずインスリン注入ができます。
  • 針を刺す回数は、2日~3日に1回です。
  • 時間帯ごとの注入量をいつでも設定・変更できるため、より生理的なインスリン分泌に近いパターンを維持できます。
  • 食事の種類や食べ方に応じた、追加インスリンの注入方法を選べます。
    インスリンポンプによるコントロール

インスリンポンプ療法の特徴

インスリンポンプを用いると、健康な人のすい臓の働きに近い状態を維持できます。血糖を正常に保つために分泌されている少量のインスリン(基礎インスリン)を、24時間連続的に注入するだけでなく、食事に合わせた必要なインスリン(追加インスリン)を比較的簡単なボタン操作で注入することが可能です 。

    健康な方のインスリン分泌イメージ

次のような人にインスリンポンプが役立ちます

外出や外食時など人前で針を打ちたくない人

食事の糖質量に合わせたインスリン注入をしたい人
脂質の多い食後高血糖の不安を減らしたい人

自分に適したインスリンパターンに合わせたい人

一定ではない基礎インスリンの必要量

基礎インスリンの必要量は1日の中で変動し、一定ではありません。また、年代によっても基礎インスリンの量や1日の必要量の変動幅は大きく変わります。※1

    基礎インスリンの必要量

インスリンポンプ では患者さんに合わせた基礎インスリン量を設定できます

インスリン注射療法 頻回注射療法
インスリンポンプ療法 インスリンポンプ療法


ほかにも・・・
インスリンポンプ療法は、糖尿病のより良い管理や、注射回数を減らすことにも役立つ可能性があります。
インスリンポンプは小型で携帯できるため、さまざまなライフスタイルに合わせられると考えられます 。

注意!

本サイトの内容は、医師の診察に代わるものではありません。
病状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。

参考文献: